Crossings ~Tokyo × Seoul, Dance × Music~ 本日より

当日のパンフに寄せた原稿を公開いたします!

皆様のご来場をお待ちしております。

Crossings ~ Tokyo×Seoul, Dance×Music ~

創作のプロセスより 


国境を跨ぐ4人の現代音楽作曲家と8ヶ月にわたりインスピレーションを交換しあい、4つのダンス作品を作り上げました。まず一つ、そのことが最も興味深い体験でした。


そしてさらに興味を覚えたのは、現代に生きる4人の作曲家がそれぞれの違ったコンセプトをうち出しましたが、ダンスを一手に引き受ける私たちの中で、その4つのコンセプトが自然と絡み合い、新たに一つのテーマが導き出されたことです。(当然といえば当然のことかもしれません)

まず森氏の出したコンセプトは水でした。水は地表の70%、人体の約60%を占めると言われています。そこから広がる波紋の形や水流のイメージ、また執拗に繰り返される音楽のフレーズに、私たちは「日常の生活」と「命の輪廻」を思いました。


東氏はダンスに欠かせない肉体そのものからアイディアをスタートし、鼓動、呼吸、血流などを通過点とし、慟哭するような「震え」にたどり着きました。これは現代社会の混乱や戸惑い、そこに対する憂いのように感じました。


イム氏の生演奏とライブエレクトロニクスによる変換の演奏方法は、タイトル通りの「TURN UP」、まさにそこに現れる、現象そのものと取れ、現代を象徴するものです。


そして、パク氏は、古い絵画(舞童)からコンセプトを引き出しました。「内的ものと外形的なもの」の違いついて、歴史を振り返り、先人たち知恵や教えからの学びを着想を得ています。。今、私たちが日常で直面している問題のを外形的なものと捉えるならば、その内的なる深層へのアプローチに着目していると捉えることができます。こうした感性は、私たちも最も共感する部分です。


これらの4つのコンセプトを同時に扱いクリエーションしていく中で、私たちはある一つの図柄を導き出すことができました。それは太極図と言われるものでした。奇しくもこれは今回ご一緒する韓国勢の国旗の図柄にも反映している中国の古い思想からくる図です。


「陽極まれば陰に転じ、陰極まれば陽に転ずる」

つまりは陰と陽の存在を認め、そのバランスと調和が大切であるという意味合いを持っています。



こうしたヒントから、私たちはそれぞれ4つの音楽の個性を生かした全く違ったダンス作品をつくりました。

そしてそれらを一つに結ぶテーマが現れました。

それは「祈り」でした。


違いを認め合い、その外と内を認め、原因からなる結果を受け止め、未来を思う。

歴史に学び、現象としての現代を捉え、そして未来を想像する行為。

この現代を生きる人々が感じている疑問や迷いを払拭するべく、研究、模索を続ける行為、または姿勢。

それを私たちは「祈り」であると捉えます。


4人の音楽家が作曲するプロセスを感じ、音楽家の演奏する音楽を繰り返し聴くうちに、そのような思いが私たちの中に自然と沸き起こったこと。

それが、今回の試みの中で最も興味深かったことであり、意義であると感じています。


青木尚哉グループワークプロジェクト主宰 青木尚哉

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青木尚哉グループワークプロジェクト

2017年4月に発足。共通の身体トレーニングを通して「身体と舞踊の関わり」について追求するグループとして活動。様々な状況で置き去りにされている「身体への注目」を高める活動をしている。