理学療法士の方からオープンスタジオの感想がよせられました

 先日(2018.12.3)のオープンスタジオ「ポイントワーク/ルーティンワーク」に「理学療法士で、アレクサンダーテクニック教師資格を持つ、治療者」というイワシ フミさんにご参加いただきました。彼女は実際にバレエ留学する子供たちをバレエ教師とは違う視点でサポートし、ケガの対応もされているということです。ダンサーたちがどんなトレーニングを受けるのか知るためにWSなど、可能な限りあちこちに参加・見学されているようです。

今回、ダンサーや振付家とは違った目線でポイントワークの感想をいただきましたので、公開させていただきます。

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「ボディマッピング」をしました。

骨標本を参考にしながら、手首や鎖骨、肩峰、C7、肋骨、骨盤など、リハビリの授業を思い出すような内容で実際の骨の位置を確認しながら、数字の書かれたシールを張り付けていきます。この作業の後、踊りの時にこういう風に動くことができるんだよねと可能性を提示してくれます。なんとなーくすることが多い、バレエのポードブラを胸鎖骨関節から意識させてみたり、なるべく距離を取って腕を長く使うってどうやるのっていうあたりから始まり、肋骨と骨盤のあたりは体幹はどう動かせるのかなと、あえて教科書のように整理してくれました。

理学療法士の私には知識のおさらいでしたが、一緒に動くとなると、「ああ、骨盤前後傾なしは意外に私は苦手だな」とか、自分の何気なくやっている癖に気が付くことになります。

パートナーと作業するので、鏡越しに自分を認識することはなく、自分が自分で、もしくは他者からのコメントによって自己認識するって作業をしました。

 振り付けが付く場面は見学をしていました。

青木先生がペアでの「振り」を紹介していき、受講生たちはそれを受け取っていきます。ここでは何かが違うと、何番が違うよと「骨の軌跡」を修正されます。「ダメ」だしもなく、こうしたらという提案の形が繰り返されます。振りをもらっていく作業ではありましたが、鏡は不要で、あくまで自分が相手の様子を見ながら自分をコントロールする練習に見えました。リハビリのプロセスとしてみると、変化する対外要素を加味させたうえで内性感覚を認知させて動作を作っていくという作業になります。見よう見まねをさせるよりも、詳細な部分までの再現性が高いことが特徴として挙げられ、かなりの集中力とその配分能力が要求されます。踊り手として腕を上げるには持つべき能力だと思いました。

 よくこんなマメなことをしてあげるなぁ、というのが正直な感想でした。ただ、みんなで楽しく踊ればいいということならスキップしてもいいプロセスだからです。教育に興味がある、もしくは教授法に興味があるんだな、と思い「珍しい先生だな」と改めて思いました。

 最後にリコメンデーションをお世辞でなく書きます。あなたが身体的にも音楽的にも、表現者としても、腕を上げたいのならこの試みに満ち溢れたクラスを受けるといいでしょう。あなたは受け身ではいれません、常に自分で何か行動することを要求され続け、もがき続ける運命が待っています。もがけばもがいた分だけ自分に足りないものに気が付けるでしょうし、成長するきっかけになるでしょう。私は運よく海外でプリンシパルをやっていた方のクラスをよく見学していたので、彼らの総合力の高さを少なからず知っています。彼らなら今日のクラスは楽勝だったでしょうし、楽しんでいたことでしょう。バレエに限ることなく、あなたの基礎力、またプロで生き残るための積極性、協調性、忍耐力、挑戦力、好奇心力を育てるのにも役に立つことでしょう。何か欠けていると思う箇所があれば、参加してみてください。きっとあなたがオープンマインドでいれる限り、あなたのためになります。

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青木尚哉グループワークプロジェクト

2017年4月に発足。共通の身体トレーニングを通して「身体と舞踊の関わり」について追求するグループとして活動。様々な状況で置き去りにされている「身体への注目」を高める活動をしている。